だれかに話したくなる本の話

カープファン・及川奈央が選ぶ、2017年期待する広島カープの選手はあの大ベテラン!

2016年シーズンのプロ野球においてセ・リーグの主役だったのは広島東洋カープだろう。

圧倒的な強さを見せつけての25年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズでは北海道日本ハムにやぶれてしまったが、2016年シーズンをもって引退した黒田博樹や、MVPに輝いた新井貴浩らナインの活躍はファンの心に焼きついたはずだ。

一方で出版業界でも活況だったのが「カープ本」だ。
新井の活躍を絵本にした『新井貴浩物語』(南々社刊)、カープOBの山本浩二氏と野村謙二郎氏の熱いカープ論が展開される『広島カープの血脈』(KADOKAWA刊)をはじめ、数々の本が出版され、優勝を記念したムックも書店にズラリと並んだ。

そんな中で異彩を放っているのが『やっぱりカープが好きじゃけん』(あさ出版刊)だ。

カープ芸人として知られるザ・ギースの尾関高文さん責任編集のもと、有名無名問わずさまざまなカープファンに取材。各々の持つカープ愛が語られる。

登場するのは芸能界で活躍する人たちだけでなく、綾辻行人さんや東川篤哉さんといった作家、広島の地元企業の社長、さらには政治家まで様々だ。

新刊JPは12月15日に東京・八重洲ブックセンターで行われた発売記念イベントの前に、尾関さん、この本にも登場している及川奈央さん、そしてカープ芸人のゴッホ向井ブルーさんの3人にお話をうかがった。

実は3人とも広島県の出身。どんなカープ愛が語られるのか?

■結婚を発表した及川奈央さん。でも旦那さんは巨人ファン!?

――本日はよろしくお願いします。まずは尾関さんにお聞きしたいのですが、『やっぱりカープが好きじゃけん』はどんな本なのでしょうか。

尾関:政治家の方やタレントさんといった有名な人から、広島の本屋さんまで本当いろいろな人のカープ愛を詰めこんだ本です。あまりこういう本ってなかったと思うので、たくさんのエピソードを通して、どのようにみんなカープを好きになっていったかをぜひ知っていただければ、と。

――お三方は広島ご出身のカープファンなんですよね。25年ぶりの優勝ということで、おそらく皆さんがまだ若い頃、もしくは小さな頃以来の優勝となると思うのですが、優勝の瞬間のお気持ちはいかがでしたか?

向井:僕は90年生まれなので、前回の優勝のときはまだ1歳で(笑)ほとんど初体験です。優勝の瞬間は尾関さんと一緒に東京ドームで観戦をしていたんですが、最後はワンナウトを取るごとに周囲のカープファンが泣き出していって、すごかったです。

及川:私はテレビで観戦していたのですが、東京ドームが真っ赤でしたよね。
私は前の優勝が10歳のときで、両親が広島出身でカープファンだったのもあってテレビでもカープと巨人の試合を観たりはしていたのですが、そこまで野球のファンではなかったんです。ただ、やはり当時から気になる存在ではありましたね。

今でも家族全員カープファンで、家族のLINEグループがあるのですが、今年は9割がカープの話題でした(笑)。常に盛り上がっていましたね。

――及川さんは先日ご結婚を発表されましたが、旦那さんとは…?

及川:そうなんです。実は相手の方はゴリゴリの巨人ファンだったのですが、お付き合いを始めるときに「私はカープファンをやめませんけれど、いいですか?」と聞いたんです。

そうしたら野球ファンとして一緒に(野球を)観られたらいいですねと言われて。優勝の瞬間はその方と一緒にテレビで観ていました。

尾関:僕らがドームで観ているとき、それまで座席にいた巨人ファンの人たちが「優勝の瞬間は見れない」と言って席を離れていったのを目撃したんですけど、旦那さんも(優勝の瞬間を)見たくないといって席から離れたりはしませんでしたか?

及川:それはなかったですね。今年はカープが優勝すべきだと言ってくれて、一緒に盛り上がってくれました。

――尾関さんもカープ芸人としてご活動されてきて、長い間待っての優勝ということで感慨深いところがあるのではないですか?

尾関:自然と涙が出てきましたよね。あとは、カープファンがみんな(感情が)爆発していたし、広島の街もすごかったです。25年ぶりってなかなか体験できるものではないですし、溜まっていたものがあったんじゃないかなと思いますね。

■気になるのはカープの選手の「プライベート」

――皆さんの周囲にいるカープファンの方々とはどんな話をして盛り上がりますか?

向井:選手のプライベートの話とか…?

及川:それは気になりますよね。

向井:市内のクラブにジャクソンがいたっていう目撃情報が届いたり(笑)

尾関:日本シリーズが終わった日に、ジャクソンと日本ハムのレアードが一緒にいたっていう噂が写真と一緒に出回って話題になりましたけど、あの写真に写っていたのはレアードじゃなかったんですよね(笑)。

向井:レアードに似た外国人だったみたいです(笑)。

尾関:でもあの写真を見た時は少し不思議な気持ちになりました。

――及川さんは旦那さんとはどんな野球の話をされるのですか?

及川:私は野球がすごく詳しいわけではないので、プレーの解説をしてもらったりしています。

――先ほどカープ選手のプライベートが気になるとおっしゃっていましたが、誰の情報が気になりますか?

及川:カープ関連の仕事をさせていただくようになって、丸(佳浩)さんは麻雀が大好きというお話をうかがったんですね。ただ、野球に集中をするために今はやっていないそうなのですが、私は麻雀が大好きなので、もしいつか丸さんが麻雀を再開することがあれば一緒に打ちたいですね。

向井:麻雀断ちしてから2年くらい経っているので、腕がだいぶ衰えているかもしれませんよ。でもすごいですよね。禁酒もしたし、打撃フォームも毎年変えているし。

尾関:すごくストイックなんですよね。

■護摩行に挑む堂林に覚悟が見える

――及川さんが選ぶカープのイケメン選手は誰ですか?

及川:そうですね…。石原(慶幸)さんの瞳が好きです。

尾関:渋いところつきますね。

及川:素敵ですよね。優しい感じがしますし、石原さんがいるからこそのカープの強さというのもありますし。

――では、2017年シーズンに向けて期待している選手を教えて下さい。

向井:僕は中田廉ですね。背番号が34から26に若くなるんですけど、球団からも期待されていると思いますし、復活してほしいです。

――今日はそういう期待を込めての中田選手のユニフォームなんですね。

向井:それもありますし、今日のイベントの主役は尾関さんなので、ビジターユニフォームを着ようと(笑)。それで、家を探したらビジターのユニフォームが中田廉と尾形佳紀しかなくて、尾形佳紀はスカウトになったので今日は中田のユニフォームを着てきました。

尾関:僕は堂林(翔太)に期待しています。新井さんが毎年やっている護摩行にも参加することになって。廣瀬(純)さんが言っていたのですが、護摩行って本当にきついらしいんですよね。廣瀬さんも護摩行をしたことがあるのですが、肌が爛れて鼻の中まで火傷すると言っていました。

向井:それは地獄よりもきつそうですね。

尾関:だから、堂林さんは2017年シーズンに対して本当に覚悟を決めているのだと思いますね。

――及川さんはいかがですか?

及川:一人に決めるのは難しいのですが、新井さんです。チームを引っ張っていってくださると思います。

 ◇  ◇  ◇

この取材の後に行われた『やっぱりカープが好きじゃけん』の発売記念イベントでは、ギース尾関さんやゴッホ向井ブルーさんによる写真を使ったカープネタが披露されたほか、及川奈央さんも加わって、インターネットの画像検索を使ったクイズ大会が行われ、大いに賑わった。

カープのユニフォームを着ていた参加者は半数近くにのぼり、まさにカープファンが「集結」したこのイベント。2016年のカープの躍進を噛みしめながら、カープ尽くしの時間を過ごすことができた。

(新刊JP編集部/金井元貴)

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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