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【「本が好き!」レビュー】『ロンドン・デイズ』鴻上尚史著

提供: 本が好き!

今や英国ドラマ、英国俳優のレベルの高さはすごいもので、ハリウッドを席捲する勢いです。

第三舞台の人気演出家だった鴻上が自己流でやってきた自分を一から鍛え直すために飛び込んだのが、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校です。

その卒業生は、
ユアン・マクレガー 、オーランド・ブルーム 、ダミアン・ルイス 、ダニエル・クレイグ
ジョセフ・ファインズなどなど、カリブの海賊も007もあの人気アメリカドラマもみんな英国俳優。
ちなみに鴻上が留学中にオーランド・ブルームも在籍していたそうです。

ギルドホールに入るのも相当難関らしいのですが、上には上があり、最難関Royal Academy of Dramatic Arts、通称RADAと言われる王立演劇学校はさらにすごいです。

こちらの卒業生は、アンソニー・ホプキンス、ヴィヴィアン・リー、クライヴ・オーウェン、ケネス・ブラナー、ショーン・ビーン、デヴィッド・マッカラム、ピーター・オトゥール、リチャード・アッテンボロー、レイフ・ファインズ、ロジャー・ムーア、ロバート・ショウ、ロバート・リンゼイ。。。書ききれない。。。 やはり王立学校の方が重厚な感じはしますね。こうした演劇学校での基礎があるのでハリウッドでも英国人俳優が起用されるんでしょう。

美男美女ばかりが受かるわけではなく、一つの舞台ができるように美男美女もとれば乳母役、牧師、道化役などバラエティに富んだ生徒を取るらしいです。こうして名わき役や性格俳優も生まれるわけです。

普通日本人が入学するのは至難の業らしく、最初は面接で英語力のなさに却下されたのですが、鴻上は演出家としてロンドンでも多少知られていたので、みっちり英語の勉強することを条件に一年後の入学を許可されたようです。

9月の新学期前に夏から英語学校に通ったのですが、受験英語と付け焼き刃の英会話では全く歯が立たず、教師と生徒との会話もちんぷんかんぷん、見よう見まねのいつ放校になるかもしれない綱渡り生活がはじまります。

英語が出来るようになってから留学しようではいつまでも無理のようです。アメリカ人もイギリス英語に苦労して、イギリス人も訛りを治すために特別レッスンを受ける俳優学校でいかにおじさんが、英語を身に着け世界中から集まった生徒や先生たちとコミュニケーションをとれるようになったかを良いも悪いもさらけ出した留学ドキュメンタリーです。

この本は演劇志望の人はもちろんですが、普通の留学生や海外赴任のビジネスマンにも役立つノウハウが一杯詰まった本です。

(レビュー:ツンドク

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ロンドン・デイズ

ロンドン・デイズ

ロンドン・ギルドホール演劇学校への留学の記録。

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