だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『後妻業』黒川 博行著

提供: 本が好き!
『後妻業』黒川 博行著

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犯罪の中で圧倒的に多いのは詐欺。老人の妻のいない男に付け込み、遺産をせしめるのが後妻業なる詐欺

本が好き!
『後妻業』

後妻業

妻に先立たれた後期高齢者の耕造は、六十九歳の小夜子と同居しはじめるが、夏の暑い日に脳梗塞で倒れ、一命を取り留めるも重体に陥る。だが、裏で小夜子は結婚相談所を経営する前科持ちの男、柏木と結託していた。病院へ駆けつけた、耕造の娘である尚子、朋美は、小夜子の本性を次第に知ることとなる――。結婚相談所の男と、結婚したパートナーと、死別を繰り返す女につきまとう黒い疑惑。
恐るべき“後妻業”の手口と実態。
「黒川節」炸裂、欲に首までつかった人々が奔走する。犯罪小説の手練れが、身近に忍び寄る新たな「悪」を見事に炙り出す。