だれかに話したくなる本の話

「おもてなし」は自己満足?売上げにつながらない「過剰サービス」に要注意!

『おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係』(マシュー・ディクソン、ニック・トーマン、リック・デリシ著、神田昌典、リブ・コンサルティング監修、安藤貴子訳、実業之日本社刊)

「働き方改革」が注目され、日本人労働者の生産性向上が叫ばれる今、改革すべき場所として「サービス業の低生産性」を挙げる識者は多い。

象徴的なのが「おもてなし」である。
いまひとつ定義のはっきりしない「おもてなし」だが、ゴールははっきりしている。「顧客の期待をはるかに凌駕するサービスを提供して、感動を与えること」だ。言葉にすると聞こえはいいが、これは言い換えれば価格に対して過剰なサービスがなされるということで、合理性は薄い。

もちろん、サービス業の現場で一個人が自主的に「おもてなし」をするのはその人の自由。問題は企業の側が、こうした過剰サービスによって顧客を感動させることが、いずれ売上や利益に結びつくと妄信しがちなところだ。

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

『ウォール・ストリート・ジャーナル』のベストセラー『チャレンジャー・カスタマー』の著者による待望の新刊!

一般的に、顧客ロイヤリティを上げるには、感動的な顧客サービスが必要だと思われている。
しかし、9万7千人のお客さまに、顧客サービスの対応経験について統計的な調査をしたところ、その結果は私たちの想定とはまったく異なるものだった!