だれかに話したくなる本の話

私が納会の幹事を何年もやり続けるのはこの3つのメリットがあるからだ

こんにちは、金井です。

今年4月に始まりました編集部日記ですが、ひとまず私のエントリで最終回となります。ひとまず、というのは大みそかに人気日記ランキングを発表する予定だからです。

まずは愛読いただき、ありがとうございました。
最初の2ヶ月は告知が足りないのもあってかなかなか思うようにPVが取れませんでしたが、だんだんと注目されるようになり、数字もついてくるようになりました。2ヶ月経った時にこのまま続けていいものかと考えたりもしましたが、長く続けることは大切ですね。まあでも、8ヶ月くらいしかやっていませんが。

また、ただ読者がついてきているコンテンツをただ終わらすわけではありません。実はリニューアルを試みているというところなんです。サッカー選手がよく「どうなるかな、見てみよう」というコメントを出しますが、まあそんな感じです。

変わらずご愛読いただけますと幸いです。

さて、そんな最終回を予定の金曜日に配信できなかったのは理由がありまして、12月21日は弊誌「新刊JP」を運営しております、オトバンクの納会だったのです。
そして私が今年も納会の幹事を行いまして、納会前の一週間は通常業務をこなしながら(こなせてない)、納会!景品!企画!飲み物!みたいな感じで、一人で大騒ぎ。司会は編集部日記でおなじみのオームラ氏とハチマル氏にお願いし、毎年クイズであったり、その年の流行をモチーフにしたコンテストであったり、従業員同士がつながるような企画を作っているのですが、直前に今年の企画の全容を伝えるという無計画ぶりを発揮していたわけです。

納会の幹事、といいますか納会の企画を担当するのは、多分これで5年くらい連続です。二次会の企画だけ持つときもあったのですが、自分の中で「日本タイトルだけ大賞」が終わったら次は納会、最後に年末の追い込みというのが、年末の風物詩と化しています。

企画を作って実行に移すのは毎回大変な想いをしますが、とても楽しくもあります。ここで私が納会の幹事をやる仕事面におけるメリットを3点、ピックアップしましょう。

全社的なイベントなので、まずは横断的に情報を集めて、飲み物だったり、食事だったり、企画を考える必要があります。全然お酒が飲めない人ばかりなのに、テーブルの上にビールばかり並べられていたら普通に引くじゃないですか。余ってお金の無駄にもなる。
ただ、会社には人の入れ替わりがあるので、だんだんとどの部署にどんな人がいるのか分からなくなっていくものです。だから、納会を開催するための情報集めを通して、初めて今の会社の全体像が分かることが多い。情報の感度が高まるというのが一点目です。

また、納会は全社的に楽しめるものを考えます。編集部の人間だけでやるなら、ちょっと刺激の強いことをやってもいいかなと思いますが、弊社の納会の参加者は40人以上いるわけで、めちゃくちゃに多様です。なので、初めて参加する人も入り込める、参加者がどこかで自分ごととして捉えられる仕掛けをどう作るかを大事にしつつ、その中でどれだけ自分のやりたいことを入れるか。
やりたいことを先行するのではなく、全体像を作ってから細部にやりたいことを入れています。これは本業の企画を作るときにもつながります。これが二点目です。

最後のメリットですが、弊社の納会は基本的に従業員向けのイベントになります。なので、ある程度失敗しても大丈夫なため、「これは受けるだろうか」という実験を試してみることができます。で、全体から好評だったものは応用して外に向けてみたりする。失敗しやすいというのが三点目です。

まあ、大変ですけどね。とりあえず、終わってよかった。

一緒に幹事をしたNさん、よく頑張りました。ありがとうございます。司会のオームラ氏とハチマル氏、めちゃくちゃ良かったです。乾杯の音頭を取ってくれたIさん、毎年恒例の「挨拶」を披露してくれた上田会長と久保田社長、大変忙しい中で素晴らしい挨拶をありがとうございました。そして、参加して、笑ってくれた皆さんに感謝申し上げます。
酔っ払ってしまって片づけ手伝わなくてすいません。

さて、最後に今年読んだ本で面白かったもの3冊、選びたいと思います。

『オリバー・ストーン オン プーチン』(オリバー・ストーン著、土方奈美翻訳、文藝春秋刊)

こちらは新刊ラジオ第3部で紹介しました。映画監督のオリバー・ストーンがロシアのプーチン大統領にインタビューを複数回行ったドキュメンタリーです。オリバー・ストーンのいじわるな質問に対するプーチンの軸のぶれなさ。すごすぎる。

『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(奥野克巳著、亜紀書房刊)

こちらは文化放送のラジオ番組「The News Masters TOKYO」の中で紹介させていただきました。日本人の価値観からすれば到底考えられないことばかりですが、プナンの民の考えがスッと心の中に入ってきたのは、私がこの社会での生きにくさを感じていることと関係があるはずです。

『ノモレ』(国分拓著、新潮社刊)

先日NHKスペシャルで「イゾラド」シリーズの続編が放送されましたが、著者の国分さんはその番組のディレクターです。インタビューをさせて頂きました。これもアマゾンの先住民を追うノンフィクションなんですが、美しい筆致で文章が強い。読後感の印象の強さから言うと、今年最高かも。

ぜひ読んでみてくださいね! ではでは、また12月31日に。

【新刊JP編集部日記はこちらから】

この記事のライター

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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audiobook:「鼠わらし物語」(共作)

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