ゆとり世代の「説明力不足」を叩き直す ≪第二回≫
というわけでやってきました!
新橋!

新橋といえば街頭インタビューの名物スポット。新刊JPニュースで時たま行う街頭インタビューもやはり新橋ですることが多い。
いつもは山田、金井で突撃しているところだが、今回はそこに編集部の新人「吉男」を加え、街頭インタビューを行うことになったのだ。
今回の質問内容は「あなたは朝何時に起きていますか?」
『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』や『朝5時半起きの習慣で、人生はうまくいく!』など、早起き本がブームとなっている昨今、実際にビジネスマンたちは一体何時に起きているのか? ということを調査するのだ。
前回、企画会議で説明力不足を露呈した吉男。
若干緊張の色がうかがえるか…と思いきや。

そのサングラス、ちょっと待て。
これじゃインタビュー対象者が逃げてしまう。説明以前の段階だ。 というわけで、サングラスを外して…スタート!
まず金井と山田が実践し、お手本を見せる。
そして吉男がいよいよ一人で向かう。

ターゲットを定める吉男。さすがに緊張しているのか、しばらくそのままふらつく。街頭インタビューを始めた頃を思い出す山田と金井。
そして、ついに行った!

吉男「あのー、すいません」
男性「なに?」
吉男「あの、インタビューをやっているんですけど…」
男性「どんな?」
吉男「えーっと、新刊JPっていうウェブサイトがありまして、あ、本を紹介するサイトなんですけど、そこに新刊JPニュースっていうコーナーがあるんですね。で、そこでインタビューをしているんですけど…」
男性「うーん、わからないからいいや」
行っちゃった。
この街頭インタビュー、実はいろいろ大変なのである。 答えてくれそうなインタビュー対象者を見つけ、手短に意図を説明。相手が答えやすいように質問を組み立ててインタビューする。断られることも多く、逆質問されることも。
先ほどの吉男の場合、何がいけなかったのか?

今回も『言いたいことがキチンと伝わる説明力の基本』(工藤昌幸、松井寿夫/著、こう書房/刊)から 改善箇所を見つけてみよう。
◆説明が上手くいくPoint 3:相手の質問内容を理解しよう
よく新人で多いのが、質問された内容がよく理解できておらず、トンチンカンな答えを返してしまうこと。
吉男も例に漏れず、「どんなインタビューなの?」と問われ、 最初に「新刊JP」の説明をしてしまっている。 返答が「インタビューの内容」ではないところで相手は「え?」と思ってしまうだろう。
たしかに唐突に質問されるとあせってしまう。 そういうときは、相手は何を説明してほしいのかを明確に意識して、頭の中を整理するということを押さえておこう。
◆説明が上手くいくPoint 4:話を「適正化」しよう
そして最も問題なのは、「話の適正化」が出来ていない。適正化の要点は2つ。
1、正しいキーワードを使っているか?
2、適切な量になっているか?
話す内容は決まっていても、説明時にどのキーワードを使うかによって、 相手にどれくらい理解してもらえるかが決まる。 Point3でも説明したように、問われているのはこのインタビューはどのようなものなのかだ。 であるから、ここでの正しいキーワードは「ウェブサイト」ではなく、 「朝何時に起きていますか」だということだ。
もう1つ重要なのが、「量」の適切さ。
相手は歩行中であり、その先には目的がある。だから移動している。つまり、基本的には時間がないと考えるべきだ。そのため、ここで伝えることが多すぎると、相手を苛立たせてしまうこともあるのだ。
相手のTPOに合わせて、「正しいキーワード」と「適切な分量」で説明をする。
なるほど。
この反省を元に、再度突撃してみる吉男。

ターゲットに狙いを定めて・・・

行ったー!!
2分間ほど話して吉男が戻ってくる。
山田「どうだった?」
吉男「あ、全然いけました。30代の男性で朝起きる時間は6時30分くらいだそうです。4時起きは無理だけど、5時30分起きは出来そうかなと言ってました」
この後も新橋駅前でインタビューを敢行。
雨ということもあり、そこまで多くの人数に取材をできたわけではないが、ちゃんと街頭インタビューはこなせていた。
少し得意気になる吉男。

だからそのサングラスはやめてくれ。
吉男がだんだんと成長してきている。これも『言いたいことがキチンと伝わる説明力の基本』によるやさしい解説のおかげだろう。
ちなみに他にも話の「階層」を使いこなす方法や話の中身を分類する方法など、基礎的だが重要なことが満載となっている。
さて、吉男・説明上手男への道はいよいよ次回、最終回を迎える。

山田「さて、明後日、電話インタビューをしてみようか」
吉男「え?マジっすか」
(新刊JP編集部)