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Bestseller's Interview 斉藤英治さん

『世界一わかりやすい「速読」の教科書』
著者:斉藤英治
出版社:三笠書房
定価(税込み):1470円
ISBN-10:4837923623
ISBN-13:978-4837923626

book summary

速読は特殊な人の特殊な能力でなく、訓練で誰にでも身につけられる。このことを証明するのが本書『世界一わかりやすい「速読」の教科書』だ。
前半部分で紹介する「速読耳トレーニング」は、「速く読む」ことはもちろん、脳を10倍活性化して今までの10倍“速く”、10倍“深く”「脳に文章の内容や要点がしみこむ」画期的なトレーニングメニューである。
また、本書の後半部分では、「速読耳トレーニング」で身についた「速読力」を最大限に生かし、最小の時間で最大の情報を得る“読書テクニック”を紹介している。

author profile

■斉藤英治さん
医学博士。1940年、山形市生まれ。東北大学卒業。武田薬品工業にてビタミンと脳科学の研究開発を経て、現在、健康英知研究所所長。日本綜合医学会常任理事、日本健康科学学会理事をそれぞれ長年務める。IMGS大学院教授を歴任。
心とからだの健康向上と脳科学、能力開発の研究をライフワークとし、心を豊かにする読書法や能率学を研究、教育にも力を入れている。
そのメソッドは、東芝、富士フィルム、東京電力、中部電力、NEC、JR東日本など、多くの企業研修にも採用され、人気研修となっている。
著書に、『右脳と左脳が同時に目覚める「超聴き」トレーニング』、『上達が不思議なほど速い![右脳]英語「超聴き」トレーニング』、『いい睡眠は、いい人生をつくる』(以上、三笠書房《知的生き方文庫》)、『王様の速読術』(ダイヤモンド社)など多数がある。

【公式ホームページ】
http://homepage3.nifty.com/saitohope/

interview index

1、「速読学校に通ったが、実用性のある速読は身につかなかった」
2、“速読”とは何か?
3、“速読”を身につけることで様々な効果が期待できる
4、取材後記

「速読学校に通ったが、実用性のある速読は身につかなかった」

斉藤さん写真

紆余曲折を経て、速読法を生み出した斉藤さん

―まず、斉藤先生が「速読」に目覚めたきっかけがありましたら教えてください。

今から24年前、私が46歳の時のことなのですが、当時仕事が非常に忙しく、毎日回ってくる大量の書類を読まなければならない状況でした。それに加えて、仕事の性質上、本もたくさん読まなければなりません。それで、速く読まなければならないという必要性が生じて夜間の速読学校に通ってみたわけです。当時の『速読』というと“目を速く動かす訓練”が主体で、私が通った学校で教えていた速読法もそうでした。このやり方はあまり身に付かなかったので、自分で新しい速読の方法を開発したというわけです。

―身に付かなかったというのは、速く読めるようにはならなかったということでしょうか。

目を動かすスピード自体は速くなりました。私はその学校で一番成績が良くなり、講師の免許までもらいましたから。だけど、本の内容が頭にサッパリ残らなかったんです。情報が記憶できず、仕事にはほとんど役に立たなかったんですよ。

―よく耳にする速読法として、本のページを斜めに読むというものがありますが、こちらもあまり効果がないものでしょうか。

効果がある場合もあると思いますが、誰にでもできるものではないと思います。こういうやり方は一言一句読み落とさずに、読むスピードを速くしていくという方法で、挫折してしまう人が多いのではないのでしょうか。

―斉藤先生が開発した速読法はこれとは対照的で、一言一句読み落とさずに、というものではないですよね。

そうですね。24年前に速読教室に通った時は、実用的な速読を身につけることはできませんでしたが、読むスピードを速めることは大事だとは変わらずに思っていました。そして、その後アメリカに出張し、そこで“スピードリーディング”に出会ったんです。これはしっかりしたもので、ビジネスマンはもちろん、会社の重役や大統領など、多くの人が学んでいました。それで私もスピードリーディングの本やテープをやってみたら意外に実用的だったので、私は欧米型の速読法を体系的に学びました。
実用的な速読法というのは、速く読んでも内容を理解でき、その後のアウトプットに繋がるということ。アメリカに行ったことで、仕事や人生に役立つ速読法があることを知りました。それが私の速読法に繋がっていますね。

“速読”とは何か?

―多くの方が「速読」のトレーニングにチャレンジしているかと思いますが、そのような方々がトレーニングを始める動機として、どのようなものがあるのでしょうか。

私は企業相手に速読の研修をしているのですが、受講者を見ているとやはり仕事に役立てたいという動機が多いです。現代は処理しなければならない情報の量が多いので、本や書類を速く読めるようになりたい、と思う方が多いのではないでしょうか。

―確かにトレーニング次第で欲しい情報が短時間で手に入るようになるというのは魅力的なことでしょうからね。

そうですね。だから私は日本人みんなに『速読』を覚えてほしいです。昔は効果的な速読法がなかったのですが、今は役に立つ速読法が確立しています。私の本は『速読術』を集約したものになっています。前半は速く音声を聞くことで頭の回転を良くするということ、後半は役に立つ速読法とは何か、ということを書いています。

―「速読」ができることによって得られる情報の量が増えるかと思いますが、それに伴ってアウトプットの量も増えるのでしょうか。

はい。どんどん自分に必要な情報を入れて、それを脳内で別の情報と結びつけることで、価値あるアイデアや企画を素早く生産できるようになります。情報を得ても右から左に流してしまわずに、脳内で情報を組み合わせて新しいアイデアとして出す。そのためには必要な情報を目的を持って入れていくことが重要です。

―「必要な情報」とおっしゃっていましたが、個人にとって必要な情報とはどのように見分けて行けばいいのでしょうか。

何が必要かということは人によって異なりますし、見つけ方も異なります。ただ、読書なり勉強なりをすればするほど、自分に欠けている知識、つまり必要な知識が何なのかがはっきりしてくるものだと思うんです。必要な知識がわかればそこを埋めていけばいいだけなので。
私の速読術の目的はただ速く読むことではありません。限られた時間の中で、自分に最も必要な知識を獲得して糧にする、それによって脳を活性化し、心を充実させて、生活や仕事に反映させていくのが目的です。だから大事なのは、自分にとって一番大事な情報をいかに素早く探すかという点ですね。

―こういった本が売れているところをみると、速読に関心を持っている方は多いのかもしれませんね。

そうだと思います。日本人は今元気がないでしょう、だから速読術を身につけてどんどん良い知識を仕入れ、斬新なアイデアを考え出し、世界で活躍してほしいと思っています。この本がその起爆剤になればうれしいことですよね。

“速読”を身につけることで様々な効果が期待できる

―速読を始めるのに適した年齢というのはありますか?

速読を始めるのには、早いに越したことはありません。私の速読術というのは、自分にとって必要な知識を素早く見つけて吸収し、自分の行動や考えに活かしていくというもの。行動自体も一つのアウトプットと考えると子供のころからそういった情報処理術を覚えておくのはいいことだと思います。

―本書『世界一わかりやすい「速読」の教科書』に付録されていたトレーニング用のCD(倍速で流れる朗読を聴きながらテキストを目で追うというもの)を聞いてみましたが、私は4倍速がやっとで、10倍速にはまったく聞き取れませんでした。トレーニングを積めば誰でも10倍速のスピードを聞き取れるようになるのでしょうか。

4倍速を聞き取れるのは大したものですよ。ただ、あのCDは聞き取れるかどうかというのはあまり重要ではありません。聞き取るというよりは、朗読のスピードに乗りながらどれだけ本のイメージを掴めるかということが大事なんです。あくまでも、本の中から自分の求めている情報を素早く見つけることが重要なので、音声はペースメーカーのつもりでやるといいですね。
速読とは言っても最初から終わりまで満遍なく速く読む必要はありません。大事なところを見つけたらゆっくりかみしめながら読めばいいんです。その箇所を探すために速読があると考えてください。素早く自分にとって重要な箇所を見つけ、そこはじっくり読む、そういうギアチェンジができるようになるのが私の速読法です。

―「速読」というと「目」に注意がいきがちですが、そうではなく“速読のトレーニングとは「脳」のトレーニングである”という、本書でのご指摘には納得させられました。速読のトレーニングを通じて脳を鍛えることで、読書以外にはどのような効果が期待できますか。

もちろんインターネット上のテキストも速読できますし、新聞もできます。知的労働のほとんどが情報処理だとも言えますので、単にテキストを読むのが速くなるというだけでなく、仕事全体が速くなるでしょう。また、言ってみれば人間自体情報の塊です。だから人間を見る目も養われますし、世の中のことも見えるようになります。

―斉藤先生が今までの人生において影響をうけた本がありましたら、3冊ほどご紹介いただけますでしょううか。

まずは竹内均さんの『勉強術・仕事術 私の方法』、これは20数年前に読んですごく感銘を受けました。それから、渡部昇一さんの『知的生活』。これは、どういう風に書斎を作りとか、どういう風に本を読み、とか知的生活の築き方についての本です。こんな風になりたいなあと思いながら読みました。あとは中村天風さんの『研心抄』も大変良かったです。

―最後になりますが、速読ができるようになりたいと思っている方や、速読に興味がある人にメッセージをいただければと思います。

心を豊かにし、仕事を速くし、新しいアイデアを出し、と創造的に人生を築いていく方法として、早く正しい速読法を見つけて実行してほしいと思います。私は40歳を過ぎてから始めましたが、皆さんにはもっと早く始めて欲しいですね。これは先ほども言いましたが、読むときはメリハリをつけて、速読と熟読のギアチェンジをしながら読んでほしいと思います。

「速読」というと特別な才能を必要とするイメージがあったのだが、斉藤先生の速読法はまちがいなく誰にでもできるものだ。これを身につけることで、一つ一つの仕事にかかる時間は短縮され、ひいては全体の作業時間も短くなるだろう。
年々スピード感を増すビジネスシーンで、時間に追われないためにも、是非とも早いうちに身につけておきたい能力だと思った。
(取材・記事/山田洋介)


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ISBN-13:978-4902579017
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