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Bestseller's Interview 白川博司

『仕組みで「売る」技術』
著者:白川博司
出版社:ビジネス社
定価(税込み):1470円
ISBN-10:4828415483
ISBN-13:978-4828415482

book summary

数多くの通販会社に独自の“仕組み”を導入し、成功に導いてきた通販コンサルタント・白川博司氏が通販ビジネスで利益を出すために必要なノウハウ集。成功する通販・失敗する通販を分けるものは一体何なのか?今注目の成長業種である通販への参入を考えている人はもちろん、本業意外の副収入を得たい人にも役立つ一冊。
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author profile

■白川博司さん
通信販売指導のNO.1コンサルタント。これまでに各種メーカー、加工業、卸、問屋、住宅、小売、旅行、芸能プロダクション…、あらゆる業種業態において、通信手段を駆使した新しい売り方、顧客、取引先開拓法、売上増大法を指導。この15年間に200社以上の通販事業立ち上げに携わり、軒並み成功させてきた斯界の第一人者。指導の特徴は3つ。「資金500万円」「6カ月で立ち上げること」「営業利益10%を必ず獲得すること」と明解。著書に『通販成功マニュアル』等がある。

interview index

1、通販業界は「法的規制」が少ない
2、通販業界ではこんな商品が売れる!
3、通販ビジネスの魅力とは?
4、取材後記

通販業界は「法的規制」が少ない

白川先生写真

日本の法律では、amazonや楽天はシステム業界に分類されていて小売業界ではないという

―まず、白川さんのお仕事である「通販コンサルタント」は、一体どのようなお仕事をするのか教えていただけますでしょうか。

通信販売(以下『通販』)の『仕組み』を新規の企業様に導入するという仕事です。特に私の顧客はメーカーさんが多いものですから、メーカー直販と言う形で通信販売を導入したいという会社さんが多いです。そういった会社に向けて商品を売るための『仕組み』を提供しています。

―本書にある通り、通販市場は拡大を続けていて2000年度と比べると市場規模が3倍以上になっているというお話ですが、新規参入を計画する個人・法人は多いのではないでしょうか。

そもそも通販業界は法的規制が少なく、新規参入しやすいこともあるのでしょうが、非常に多いですよ。しかし、その分人知れず消えていくという通販会社も多いのが実情ですね。

―日本はかなり通販が盛んな国かと思いますが、他にもそのような国はありますか?

通信販売はヨーロッパで成り立ち、そこからアメリカに伝わってビジネスモデルとして確立しました。それから日本に入ってきたという流れです。ですからこれらの地域では通販が盛んですし、これからは中国で盛んになるでしょうね。

―アメリカでなくヨーロッパではじまったというのは意外ですね。

通販の考え方自体はかなり昔からあります。19世紀のドイツは『閉店法』という法律によって小売店の閉店時間が定められていまして、そこから通販が盛んになったと言われています。

―本書の中でamazonや楽天が日本通信販売協会に加入していないということを書かれていましたが、通販ビジネスをするなら日本通信販売協会に加入するのが必須というわけではないのでしょうか。

必須というわけではありません。そもそも日本の法律だと、amazonや楽天はシステム業界に分類されていて、小売業界ではないんですよ。これは日本の法律の良くない点だと思いますね。彼らも今さら小売業界に入るつもりはないでしょうけど。

通販業界ではこんな商品が売れる!

―白川さんが通販業界に注目されたきっかけは何だったのでしょうか。

私は今から15年前にこの仕事を始めましたが、それ以前から小売業には興味がありました。しかし、年末商戦などの結果を見てもわかるとおり小売業はほとんどの分野で伸び悩んでいます。そこで、小売り業で生き残るにはどうしたらいいかと考えた時に通信販売がいいんじゃないかと思ったことでしょうか。

―15年前というと1995年頃ですが、当時の通販はどのような状況だったのでしょうか。

今でこそ通販はきちんとしたビジネスとして成り立っていますが、当時は信用されていない商売の典型の一つでしたね。買ってみなければわからない、カタログ通りの商品がこないなどのイメージが強かったと思います。インターネット通販はまだなくて、カタログ通販やテレビ・ラジオ通販、新聞広告による通販が主流でした。

―通販に関わる様々なコンサルティングを手掛けていらっしゃるかと思いますが、ヒットした商品など、過去のコンサルティングの成功例を教えていただけますか。

わかりやすい言葉で言えば産直品通販は成功することが多いです。お土産などのご当地物ですとか、産直品、餃子、ハンドバッグなどいろいろありますよ。通販といってもいろいろな形式があるので一概には言えませんが店頭販売で成功している商品は通販でも間違いなく成功します。店頭販売で成功しているのに通販で成功しないというケースはその手法に問題があるといっていいでしょう。

―少し前のお話ですが島田紳助さんの「行列のできる芸能人通販王決定戦」というテレビ番組で取り上げられたうどんが大ヒットしたというようなことがありました。やはりテレビの力というものは大きいのでしょうか?

大きいですよ。やはりテレビに一度出ますと有名人の方が取り上げてくれたりするので。ただ、偶発的にポッと紹介されるだけでは難しくて、島田紳助さんの番組ですとか、有名な番組で取り上げてもらえないと厳しいと思います。今はテレビ局各社とも通販の番組を持っていますので、そういうところに常にプレゼンテーションをしておくなどの努力はしておいたほうがいいと思いますね。

―商品が持つ「ストーリー」の重要性を本書で述べておられましたが、商品を売る際のストーリー作りにおいて気をつけなければならない点はどのような点でしょうか。

まずはその商品がオンリーワンであることが重要です。通販でしか買えないものはやはり価値があるのですが、なかなかそういう商品はありません。あとは個数限定であるとか期間限定であることも商品のストーリー作りでは大事になります。この三つがストーリー作りの骨組みと言えます。

―通販ビジネスを成功させるために、もっとも重要なことはどんなことだと思いますか?

全ては商品力ありきです。通販は小売業の一つである以上、商品力が大事。その商品力をいかに磨き上げるかということが肝心です。 先ほども申し上げましたが、商品力の中で消費者がもっとも要求することはオンリーワン性。そのことを踏まえて、いかに通販の性質に合った商品力を強化していくかということだと思います。

―オンリーワンの商品というのはどのように見つけていけばいいのでしょうか。

世界中を飛び回ってオンリーワンと言える商品を探しまわったとしてもそんなに見つかるものではありません。 10年くらい前、大手の通販会社が何をやっていたかというと、商品を探して来いということで若い社員に100万円くらい渡して1カ月くらい世界中を回らせるんですよ。今はそんなことをやらなくてもインターネット上で世界中の商品を買えます。だから独自の商品を見つけることは、今は至難の業。通販業の方は皆さんそこに頭を使いますね。 そういった意味では『見つける』というより『作り上げる』といった方が近いのかもしれません。 逆に言えば、これを見つけたり作り上げることができればしめたものです。

通販ビジネスの魅力とは?

白川先生写真

通販業界はネットやモバイルが強まっていくと白川先生

―通販業界は今後どのように変わっていくと思われますか?

総合通販と呼ばれるカタログ通販は今後は伸びないでしょうね。なぜかというと先ほど申し上げたようなストーリー性がありません。通販のカタログ雑誌はたくさんありますが、多くの人は複数の雑誌を併読しているんです。そこに同じような商品が同じような値段で載っているからなかなか消費者は買いません。
今後伸びるのはやはりネット通販。なかでもこれからはモバイルを使ったものが盛んになると思います。
インターネットを触らない人は減っていますし、比較的お金を持っている高年齢層が通販を利用するようになってきています。これからはどんどんネット・モバイルの通販で物を買う環境になるのではないでしょうか。

―通販の利用者の年齢層は上がっているというのは意外ですね。

今は50~60代が主流と言われていますよ。これは小売業全体にあてはまるのですが、お金を持っている人というのはある程度年齢の高い人。そういう人はお金だけでなく知識と時間がある。その方々が今は消費を引っぱっています。その逆が若い世代で、物を買わないし外にも出ない。車や海外旅行、家電にも関心が薄く、基本的にあまり消費をしません。最大のポイントは若い世代が減っていき、年齢の高い世代は増えていくという点。そういう意味では富裕層とまでは言いませんが、比較的年齢が高めで金銭的に余裕のある層の消費を喚起するような戦略を取る必要があるのかもしれません。
また、定年後の人の68.5%はパソコン教室に通っていると言われています。若い方々は既にほとんどがパソコンを日常的に使っているでしょうから、今パソコンを使っていない人の7割はパソコン教室に通っていると言えるわけで、その方々も今後ネット通販を利用するでしょう。その点は通販業界の今後の発展の一つの方向だと思います。

―「通販ビジネスの魅力」(p33)という箇所で、業界未経験でも始められ、素人であるほどいい面が多いと書かれていましたが、素人のいい面とはどういった面でしょうか。

既成概念を持っていないことでしょうね。素人の目というのは表現を変えると消費者の目ということになります。商品の作り手側も“消費者の目線で”というようなことをよく口にしますが、実際はそれを持っていない会社が多い。でも、業界に長くいるとこの目線を保つのは難しいですよ。消費者の目を保ち続けるために皆さん苦労されています。

―通販ビジネスは、会社員の副業としても成立しうるものですか?

ある範囲内でやっていくだけなら成立するでしょうね。とくにインターネット。お小遣い稼ぎ程度だったら成立すると思います。

―まずBtoB(企業間取引、ここでは通販卸業を指す)のスタイルでやってみるのがいいのでしょうか?

BtoC(自社通販)だと、売るための仕組みの構築がBtoBの場合よりも手間がかかり、人件費も多くかかるのでより考えてやらないといけません。それと比べたら、いい商品を見つけたり作りだしたりして、販売力のある企業に販売してもらう通販卸業の方がやりやすいのではないでしょうか。ただ副業とはいえお小遣い稼ぎ以上のものにするとなると大変ですよ。本業の後、何時間か必死に働けるような人だったらできるかもしれませんが片手間では無理でしょう。

―起業するときのコストが安いことや少人数で営業できることなど、通販ビジネスのメリットは多いですが、この業界に興味をもっている人に向けてメッセージがありましたらお願いします。

まず言えることは通販商材を持つ努力を一年間くらいですること。 それとこれはBtoCでやる人に向けてなのですが、新規客の増客というもののヒントと言いますか、『このやり方でやればお客さんを増やせる』という体感をすることですね。ただし、これはとても難しいこと。そしてそのお客さんをリピーターにする仕組みを作ること。これらができれば成功できると思います 。

今ほど通販が盛んではなかった時期から日本の通販を見続けてきただけに、その言葉は説得力に溢れるものだった。
これから新たにこの業界に参入したいと考えている人は、本書『仕組みで「売る」技術』を読んでみてほしい。ビジネスを成功させるためのヒントがいくつも見つかるにちがいない。
(取材・記事/山田洋介)

◆告知◆
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お申込みはTEL03-6219-0028 (株)四方事務所 通販実践会事務局にて受け付けております。


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