新刊JPトップ > 書籍特集一覧 > 『bestseller's interview 第5回 本田直之さん』 

Bestseller's Interview 本田直之

『パーソナル・マーケティング』
著者:本田直之
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価(税込み):1512円
ISBN-10:488759755X
ISBN-13:978-4887597556

book summary

企業が個人を守ることのできる時代は終わり、各個人それぞれの実力がモノを言う時代となりつつある現代。ビジネススキルを磨くことはもちろん、今まで以上に自分の能力を組織や社会に対して“見せる”力や、各個人独自のブランドを築く力が必要となる。しかし、“自分ブランド”を作れといわれても、どうすればいいのかわからない人は多いのではないだろうか?
本書は、著作累計135万部、プロデュース書籍40万部突破、ベストセラー著者にして敏腕プロデューサーでもある本田直之が初めて明かす、個人ブランド構築の鉄則。 組織や企業に依存せずに生きるには? これからのビジネスパーソンに必須の『自分マーケティング術』『自分ブランディング術』のすべてが詰まった一冊だ。

author profile

■本田直之さん
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO。
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。日本ファイナンシャルアカデミー取締役、コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング取締役、米国Global Vision Technology社取締役を兼務。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで過ごす。
著書は累計100万部を越え、『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』(大和書房)、『レバレッジ・リーディング』『レバレッジ・シンキング』『レバレッジ・マネジメント』(以上東洋経済新報社)、などがある。
レバレッジコンサルティング

interview index

1、『パーソナル・マーケティング』の重要性
2、『学生時代から起業すると決めていた』
3、趣味を持つことの意味
4、取材後記

『パーソナル・マーケティング』の重要性

―まずは本書『パーソナル・マーケティング』の本に関してお聞きしたいと思います。本田さんがパーソナル・マーケティングや、パーソナル・ブランディングの重要性を意識し始めたのはいつごろのことでしたか?

最初は学生時代だったと思います。当時女性ファッション誌でアルバイトをしていたのですが、同じことをやっていても、例えばモデルの女性も、人に知られているか知られていないかで、アウトプットが全然違うということを強烈に感じたんですよね。それと、アメリカ留学中にビジネススクールで感じたことですが、アメリカの人って良くも悪くも自分のプロデュース・プロモーションをしっかりやっているんです。そういったことを子供のころから考えているし、ナチュラルにできていたりもします。
日本はどうかというと、高度経済成長の時期は、就職したら一生その会社で勤め上げることが主流でした。その状況では自分のマーケティングやプロデュース力は必要なかったし、むしろ邪魔になってしまう力だったんです。でも時代が変わり、会社に頼れない時代になったら、そういった力は絶対必要になると思っていました。特に僕は自分でビジネスを興したいと思っていましたから、尚更でしたね。

―本書をどのような人に読んで欲しいと思って執筆されましたか?

自分をもっと成長させたいと思っているビジネスパーソンや、自分でビジネスをやっている人、または士業の人、さらにはタレントの方にも読んで欲しいですね(笑)つまりは、会社や組織の力に依存せずに自分の力を発揮して成長していきたいと思っている人は手に取って欲しいです。

―パーソナル・マーケティングは今後どのような場面で重要になってくると思いますか?

東芝が副業をOKにした、というニュースを見てもわかりますが、もう会社に頼れる時代ではありません。普通は大企業で従業員の副業を許可したら、統制がとれないし滅茶苦茶になると思うんですよね。後5年くらいは大丈夫かもしれませんが、10年後、20年後は自分自身に力がないと生き残っていけなくなります。それは独立しろ、という話ではなく会社勤めをしていても同じです。“雇われている”という認識ではなく“会社に自分の能力を提供している”という立場にならなければいけません。
それを考えた時に、自分をマーケティングする能力がないとどんどんチャンスは少なくなりますし、やりたいこともできなくなってしまうのではないでしょうか。

―本書の中に、名刺を出さず、会社名も言わずに3分間自己紹介をするトレーニングについて書かれていましたが、現在の本田さんなら同じルールでどのように自己紹介をされますか?

本が売れた部数ですとか、本のプロデュースをしているとか、ハワイと日本でデュアルライフをしている、ワインアドバイザーの資格を持っている、というようなことを話すでしょうね。自己紹介の時に会社名を言ってしまうと、それでその人のイメージができてしまいます。私はかつてシティバンクで働いていましたが、一般的なイメージである金融の仕事をしていたわけではありませんし。会社名を出すと一応は信頼されるのかもしれませんが、その人の本質に当たらないことが多いです。
これは大企業にいる人に多いのですが、会社名に頼り続けていると、いざ会社を辞めた時に、自分に何も残っていない、という状態になってしまう。それまで付き合っていた人がみんな離れていってしまうということにもなりかねません。

―大企業に勤める人が自分のブランディング・マーケティングをするときに、効果的な方法がありましたら教えていただければと思います。

会社の中でパーソナル・マーケティングをする場合は2種類あって、1つは会社の中で上に立つためのマーケティングで、もう1つは、会社に疎まれて出てもいいよ、というマーケティングです。例えば会社員をしながら漫画家を目指すなら、結局は外の世界に出て行くわけですから万が一会社で疎まれてもいいわけです。
一方、会社で上にあがっていくためのマーケティングをするのであれば、会社の中でどのような性格を出していくかとか、自分が何を求められているのかを考えることが大事です。つまり、自分は会社の中で誰の役に立つのだろうと考えることですね。会社員をやっている人がエゴサーチ(=検索エンジンで自分の名前を検索すること)をすると、全然名前が出てこない人とたくさん出てくる人に分かれます。
どちらのマーケティングをするにしても、検索でたくさん名前が出てくるようにしないと社内での認知度も低いままですし、外部での認知度も低いということになります。そうなると、仕事のチャンスも狭くなってしまうと思います。大企業にいながらエゴサーチでたくさん名前が出てくるようになると、会社のブランドもあり自分のブランドもあるわけですからとてもいい形になりますよね。

『学生時代から起業すると決めていた』

―本田さんのような生き方(起業・日本とハワイのデュアルライフなど)は学生が憧れるのではないかと思うのですが、本田さんご自身は学生時代にどのような学生生活を送っていたのでしょうか。

勉強は全然しなかったですね。ゼミも入っていませんでしたし。よく遊んでいました。でも今になって良かったと思うことのは、当時女性週刊誌だけでなく、バックスグループでも経験を積み、超成長期だったころのグローバルダイニングにも関わっていたんですが、そこから得たものは多かったです。そこで自分の進みたい方向が見えました。
エッジが立っている人が多かったし、刺激がありました。また、フィジーとハワイに一カ月ずつ滞在したり、仕事と旅行を並行して出来ていたのが今思えばすごく良い経験になっていると思います。まあ、結果論ですけどね。当時は深く考えていなかったです(笑)

―起業をすることをかなり前から考えておられたそうですが、留学の経験から起業を志すようになった、ということですか?

いえ、起業が先でしたね。将来は起業しようと思った時に“自分に足りない能力は何か”ということを考えて、それを埋めるために留学してビジネススクールに通いました。

―まだ20代前半の若者にとっては大きな決断だったのではないでしょうか?

いや、そんなことはないですよ(笑)“これがやりたい!でもここが足りないから、早く埋めなきゃ”という考えだけです。自分は大企業には向いていないということは、前から感じていましたしね。

―どのあたりで、大企業に向いていないと思われたんですか?

まず、僕は場所・時間・お金・服装など、制約があるのが嫌なんです。制約をなくしたいと思っていました。でもそういう制約は大企業なら当たり前で、耐えられないなら社会人失格です。こういう自分の性質を考えた時に、やはり向いていないと思いました。
それで、大企業に向いていないなら自分でビジネスをやるしかないと思ったんですよね。自分でコントロールできる世界を作らないと、結局は会社にコントロールされることになってしまうと思ったんです。

―学生時代、本田さんと同じように起業を考えていた方は他にもいましたか?

僕の周りはそういう奴ばかりでしたよ。当時は80年代後半だったのですが、バブルの時期だったし学生起業は多かったですね。先輩にも起業した人がいましたし。

―そういえば、本田さんは大学などで精力的に講演をされているとお聞きしましたが、最近の学生を見て思うことがありましたら教えてください。

つい先日も明治大学で講演を行いましたが、最近の学生はよく勉強していると思います。こんなに勉強していたら上司がバカに見えてしまうのではないかと思うくらい(笑)。でも上司に注意を受けた時に、不快感を露骨に顔に出してしまうのも今の学生の特徴ですね。それは良くない。パーソナル・マーケティングの観点でも、人に嫌われるようなことをするのは、どんなにいいプロダクトでも、どんなに賢くても、やめたほうがいいと思います。

趣味を持つことの意味

―本の中で、インプットとアウトプットの重要性に触れていましたが、インプットする際に気をつけていることはなんですか?

大前提にあるのは、何のためにインプットをするのか、ということを意識することです。
それは2つあって、1つは今の自分の足りない部分、改善したい部分を埋めようと意識すること。もう1つは今すぐ必要な情報ではないけれど、将来役立つかもしれない情報を得ることです。
また、インプットの方法も2種類あります。まず1つ目は本です。本は体系的に書かれているし、コストもとても安価です。だから、安く欲しい情報を見つけることができる優れものです。そして、もう1つは人です。こちらを見落としている人は案外多くて、本は読んでいるけどこちらは実践できていない人が多いと思います。本からの情報を咀嚼して人に話したり、人の話を聞くことによって、より理解度が高まったり、人と意見を共有することによって、今まで思ってもみなかったような考えにふれることができます。
本は読むけれど、あまり自分が勤めている会社以外の会社の人と会わない人は多いんですよね。でも、人を介してしか得られないものがあるので、社外の人と会うようにすると良いと思います。人間関係が社内の人ばかりになってしまうと、そこから知識を得たとしても狭い範囲でしか通用しない知識だったりしますし、そこで一番になって慢心したりしがちですから。

―サーフィンがご趣味とのことでしたが、サーフィンの魅力はどんなところにあるのでしょうか。

僕はサーフィンだけでなくてスポーツ全般好きなんですよ。スポーツって思う通りにいかないじゃないですか。サーフィンにしても、いつも良い波がくるわけではありませんし。そういうところが社会と似ていますよね。
スポーツでの成功体験をビジネスに生かそうとしてみたり、その逆をやってみたり、両方で行ったり来たりしたりして考えることで、両方を良い方向に向けられると、とても良い相乗効果を生みます。仕事だけになると周りが見えなくなってしまいがちですから、人生一時期は、仕事だけをガーッとやる時期は必要ですが、視点を変えられる趣味は持っていた方がいいのかなと思いますね。

―最後に、本田さんが最近読んだ書籍でお勧めの3冊を教えていただきたいのですが…。

まずはリチャード・フロリダの『クリエイティブ都市論』という本です。意外と自分の住む場所について深く考えない人が多いですが、住む場所は自分のライフスタイルにも人生にも深く関わってきます。これからは東京に住んで、もう一か所どこかに拠点を作ることが簡単にできる時代になると思います。自分の住居や、住環境について考えさせられる本ですね。
次に『大人げない大人になれ!』です。著者の成毛さんのお話はいろいろとうかがうんですけど、ホントに大人げないんですよね(笑)。本人は意識してやっていると思うんですけど。全部参考にするのは大変だと思いますが、エッセンスはすばらしいです。
最後にジョン・J・レイティとエリック・ヘイガーマンの『脳を鍛えるには運動しかない』です。脳を含めた自分の体のマネジメントの重要性について考えさせられます。分厚いのでパラパラめくるだけでもいいので読んでみてほしいですね。

セルフ・マーケティング、セルフ・ブランディングへの意識の高さは、学生時代から事業を興すことを志していた本田氏ならでは。自身の成功体験を基に築いた“パーソナル・マーケティング”のノウハウが記された本書を、ぜひ手にとって読んでみてほしい。
(取材・記事/山田洋介)


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■インタビューアーカイブ■
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第3回 川上徹也さん『あの演説はなぜ人を動かしたのか』
第4回 はまち。さん『朝バナナダイエット』

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