革命対談
インタビュー

上田 「それまで明確な夢などはなく、ぼんやりしていたものが、夢や目標として具体的に定まったのが高2の冬だったんですね」

佐藤 「そうですね。目が覚めたというか覚醒した瞬間でしたね」

上田 「みなさんこんにちは、上田渉です。自分自身の中に革命を起こし、そして出会う人々にも革命を起こし続けている著名人の方とざっくばらんに語り合う『革命対談』。今日はアートディレクターの佐藤可士和さんをお迎えしております。佐藤さん、よろしくお願いいたします」
佐藤 「よろしくお願いします」
上田 「『革命対談』では毎回冒頭でしている質問がありまして、“佐藤さんはいつから佐藤可士和になったのか?”という質問なのですが、まずそちらをお聞きしようと思います」
佐藤 「そうですね、高校2年の冬ですかね…。何故かというと、美大に進もうと決心して、高2の冬のある日から自分をプロのクリエイターというように認識したんですよね」
上田 「なるほど、それまでは他の道に進むことも考えていたのですか?」
佐藤 「まあ、普通の高校生だったんで、あまりシリアスには考えていなかったですけどね(笑)ずっと絵が得意で、それこそ幼稚園のころから絵が大好きで、ずっと描いてはいたんですね。でも子供なのでプロになるという意識もなかったですし、普通にスポーツが好きなのと同じような感じで絵が好きっていう。

で、高2の時に文系と理系を選ぶじゃないですか。その時に結構真剣に考えて“将来どうしていくのかな”となった時に、文系も理系もあまりピンとこなかったんです」
上田 「普通はどちらかを選ぶのに両方ピンとこなかった」
佐藤 「そう、それで“ああ美術があったな”って。そこではじめて“進路”として美術を捉えたんですよね。それで美大を受けようと思って、高2の冬に美大専門の予備校の冬季講習会に行ったんです。

はじめは親とも相談して2週間の冬季講習会をやってみてダメだと思ったら普通の大学に行く方向に戻ればいいっていう感じで、講習初日に行ったんですね。3時間くらいで石膏像を木炭で描くっていう授業だったんですけど、その3時間で雷に打たれたみたいに感激して“俺はもう一生これでやっていこう”ってそこで決めたんですよね」
上田 「ああ~…じゃあその3時間がなかったら今の道には進んでいなかったと」
佐藤 「進んでないですね、そこで“こんなに楽しいことってあるんだ”って思って。しかもそれが受験勉強だったし、この延長が仕事になっていくんだ、ということもその時にわかったんですよね。

その日は初めて描いたこともあってうまくは描けなかったんですけど、でも“これはやればできるな”って思って、今日からプロのクリエイターになろうと。それがターニング・ポイントですね」
上田 「それまで明確な夢などはなく、ぼんやりしていたものが、夢や目標として具体的に定まったのが高2の冬だったんですね」
佐藤 「そうですね。高校時代も楽しかったんですけど、将来のことについては靄がかかっていた感じだったんです。でもそれが一気にスカッと晴れた感じがして(笑)目が覚めたというか覚醒した瞬間でしたね」
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